verite vol.5 2016年発刊
「管理栄養士」と
「栄養士」
管理栄養士がこれからもっと期待される理由とは。
「管理栄養士」は、国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けた人のみ名乗ることができます。栄養士養成施設を卒業し、栄養士免許を取得した人が従事できる栄養士との違いは、病状や身体状況などさまざまな要素を考慮した栄養指導や栄養管理が行えるということ。子どものアレルギー問題や生活習慣病の増加、高齢化による医療・福祉現場の多様化などへの対応が求められる現代社会において、「食のスペシャリスト」として解決策を導ける管理栄養士の活躍が強く望まれています。
管理栄養士 | |
---|---|
資格 | 厚生労働大臣の免許を受けた国家資格 |
資格取得に必要な学びや経験 | 「管理栄養士養成施設を修了」もしくは「栄養士養成施設を卒業し1~3年の実務経験※」を経て、管理栄養士国家試験に合格すること |
栄養士 | |
---|---|
資格 | 都道府県知事の免許を受けた国家資格 |
資格取得に必要な学びや経験 | 栄養士養成施設(2年以上)を卒業すること |
「仕事内容」と「活躍が望まれる職場」を 比べてみよう
栄養士
栄養学に基づいて、栄養バランスの取れたメニュー(献立)の作成や調理方法の改善など、栄養面から健康な食生活のアドバイスを行います。食や栄養に関する専門知識が求められ、特定給食施設や医療保険機関、福祉施設など、広く活躍が望まれている職業です。
管理栄養士
健康な人々だけでなく、医学的な管理を必要とする個人を対象に病状や身体状況などさまざまな要素を考慮した栄養指導や給食管理を行います。栄養士の職場に加え、医学的な栄養管理が必要とされる特定給食施設や給食の提供数が多い施設など特別な栄養管理が必要とされる施設において、管理栄養士の配置が義務づけられています。医療の領域まで踏み込んだ栄養指導を行うため、高度な専門知識が必要とされます。そのため病院では管理栄養士が行う栄養指導に対して指導料を算定できますし、介護保険施設では食事の提供費用を増額できるため、能力に見合った報酬を期待できます。
管理栄養士の
活躍が望まれる職場は、
こんなにたくさん!
- 医療現場や福祉施設での栄養指導
- 給食で子どもたちの栄養管理やアレルギー対応
- スポーツ選手の栄養管理
- 地域の人々の健康づくり
- 事業所の給食施設で人々の栄養管理 など
管理栄養士は医療現場で治療を支える役割も担うため、より高度な専門的知識と技術が必要とされます。また、栄養指導では対象者と直接ふれあい食生活の改善に携わるため、大きなやりがいを感じることができる職業です。健康状態に適した栄養価を計算することばかりでなく、おいしい食事で喫食者に食べる楽しみを提供するという大切な役割も担うため、幅広い知識とともに人間力も身につけたいですね。
管理栄養学科3年
中川 未菜実さん
愛知県 名城大学附属高等学校出身
ビタミンCとビタミンAで
細胞を強化!
冬は寒さによる体調不良やウイルスによる風邪が流行りますね。受験前に体調を崩してしまうのは避けたいところ。ウイルス感染予防の基本、「うがい」「手洗い」「マスク」に加えて、日々の食事にも気を配りましょう。そのひとつは、ウイルスが侵入する粘膜細胞を強くするためにビタミンCを摂ること。細胞をつなぐコラーゲンの生成を促してくれるからです。小松菜やほうれん草などに多く含まれるビタミンAも、皮膚や粘膜を構成する細胞をつくるため、ウイルスや感染症の予防に効果があります。
一番の近道は、
バランスよく食べること!
それでも「風邪かな?」と思ったら、食欲のあるうちにしっかりと食べることが大切です。体を温めるタンパク質(肉、魚、牛乳など)や、ウイルスと闘うエネルギー源となる炭水化物(穀類、芋類など)もしっかりと摂りましょう。雑炊や茶碗蒸しはたくさんの食材を取り入れやすく消化も良いのでおすすめですよ。そして、暖かくして睡眠をとること。寝不足や栄養不足では体調不良を起こしやすく、勉強もはかどりません。朝食もしっかりと摂り集中して勉強することが、合格への近道ですよ。